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魂は何処へ行く
再度の応召
美しき富士
  
上陸
製塩隊
  薪取り
  汐汲み
  塩炊き
月の海邊
月夜蟹
パンの実
椰子の葉
ミサツプ岬
終戦
  ムッシュ島の日々

野戦病院へのあこがれ
野戦病院
人を呪わば穴二つ
  腹の虫
  灰色のダイヤ
  生き霊
  悔恨
発言(はつごん) お題目
在るやなしや
トカゲ
ヒルの味
環境と教育

天皇陛下
労働組合の社会的責任は何か
晩年、入院中の歌
 
父の遺稿集について
 
附録








 パンの実が落ちて、腐り掛けていた、何とか食べられないかと割ってみると白い小さな蛆がわいていた、これならヒナタンと余り変わりはない。ヒナタンとは、サゴ椰子の倒木や澱粉を取った粕の腐った中にわくカブト虫の様な昆虫の幼虫で、土人も生で食う脂肪とタンパク質の多い、内地でも喜んで食べる蜂の子の様なものである。
 ヒナタンに比べれば比較にならぬ程小さく便所にわく蛆の四分の一位の大きさで、食べではないが蛋白源としては見捨てられないものである。蛆のように動くので余り気持ちの良いものではないが腹の虫と喉から出る黒い手の命令で、一つ二つとつまむうちにパンの実にウジョウジョわいていた蛆を残らず平らげた、一つ残らずと言っても一匹の量が余りに小さいから、腹の足しにもならない位であるが、野菜を飯盒一杯食うより栄養はある筈である。






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