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魂は何処へ行く
再度の応召
美しき富士
  
上陸
製塩隊
  薪取り
  汐汲み
  塩炊き
月の海邊
月夜蟹
パンの実
椰子の葉
ミサツプ岬
終戦
  ムッシュ島の日々

野戦病院へのあこがれ
野戦病院
人を呪わば穴二つ
  腹の虫
  灰色のダイヤ
  生き霊
  悔恨
発言(はつごん) お題目
在るやなしや
トカゲ
ヒルの味
環境と教育

天皇陛下
労働組合の社会的責任は何か
晩年、入院中の歌
 
父の遺稿集について
 
附録




父の遺稿集について



 父は生前定年退職したらニューギニアの戦争について本を書くのだとよく言っていた。そうして定年になってから時々机に向かって原稿を書いていた。しかし、書きたいと思っていた事が朧げになって苦労していた様に思える。少しづつ記憶を辿り、原稿用紙に二枚、または三枚と短い事柄を書き留めていた。まだ書きたい事も有った様だし、文章も直したいと思っていただろう。書き掛けのものがいくつか残っている。志半ばで肝臓を患い入院する事になって、何回か入退院したが、結局帰らぬ人となり、編集作業は全くされずに終わった。残念だっただろう。
 読み難いので、長い間、原稿はそのままになっていたが、私も何時かは父のものを纏めておきたかったし、もういい加減にやらないと、読んでくれる人が居なくなると困ると思い、原稿を整理したのが本書である。細切れの原稿は、私の独断と偏見で今の順番に並べた。並べてみると、ばらばらではしょうがないものが、結構纏まった所もあるし、どうしても落ち着きの悪い所もある。食べ物の話しばかりで他に言う事はないのかと思った時もあるが、父の苦労、人柄が偲ばれるので、ある程度纏まりの有るものは削らずに収録した。父ならどう編集しただろうか。私の編集がこれで正しいとは限らないので、読んでいて矛盾を感じた時には、お許し願いたい。
 これを編集していて、元気な頃の父や、晩年の父の入院生活の異常な程の我慢強さが思い出された。血を吐き、次第に腹水が溜まる中で、父はニューギニアの事をきっと思い出していただろう。苦しくとも最後まで抜かなかった腹水を抜いた後、母や先生、看護婦さんに有り難うと言いながら旅だって行った。さすがに父らしい最期だった。

 本書を母に、家族に、また父を懐かしんで戴ける全ての人に捧げる。


一九九三年盛夏
高尾にて
和輝





改訂版について



 その後、ニューギニア以外の事を書いた物が少し出て来たのと、父の晩年の歌を収録する為に改訂版を纏めた。祖母の事、母の事、弟の事、父の気持ちが出ている。
 父の子供の頃の作文が出て来たので、附録に収録する。


一九九三年冬





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