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魂は何処へ行く
再度の応召
美しき富士
  
上陸
製塩隊
  薪取り
  汐汲み
  塩炊き
月の海邊
月夜蟹
パンの実
椰子の葉
ミサツプ岬
終戦
  ムッシュ島の日々

野戦病院へのあこがれ
野戦病院
人を呪わば穴二つ
  腹の虫
  灰色のダイヤ
  生き霊
  悔恨
発言(はつごん) お題目
在るやなしや
トカゲ
ヒルの味
環境と教育

天皇陛下
労働組合の社会的責任は何か
晩年、入院中の歌
 
父の遺稿集について
 
附録




環境と教育



 「人間は何にでもなれる。悪魔だって、盗人だって、小鳥にだって、蝶々だって、何にだって」
 「どうして」
 「考えてごらんよ。例えば、昨夕(ゆうべ)悪魔の夢を見たとする。自分が悪魔になっている。初めは自分がやっている悪魔の所業に疑問を持ち、はて、自分は本当に悪魔なんだろうか、夢でないんだろうか、と。人間の心が働くが、その中に、自分が悪魔であることに疑念がなくなり、悪魔になり切っていた事を、ふとさめた夢の中の自分の悪魔の心にびっくりする事がある」
 「そうね、何だって、あんな夢を見たのだろう。人間なんてひょんな事で、人殺しをしないとは限らないね」
 「そうでしょう。そんな立場に置かれたら、私だって人殺しをするかも知れない。否、殺してしまっていたかも知れない、そんな事を思うとぞっとする」
 「本当にね、氏より育ちというものね」
 「環境が大事なんだ。人間は教育によって本当に変わってしまうものだ」






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